花びらを数える日々

チラシの裏、ときどき星の屑

音楽と言葉と/今週のお題「私の癒やし」

今週のお題「私の癒やし」

音楽を聴くこと。
人の声が好きだから、歌詞はあったほうがいい。英語は苦手だから、歌詞は日本語がいい。

気分に合わせて、プレイリストを作る。いつもはiPhoneで音楽を聴いている。
プレイリストにはアートワークを設定して、どんな時に聞くかの一言を添えておく。いい気分の時に聞くプレイリストもあれば、反対に、嫌な気分の時に聞くためのプレイリストも作る。

そうしておくと、もし嫌なことがあっても、その日のための音楽がそこにある。
ぴったりのプレイリストがあると、ちょっと得した気分になれるし、好きな歌に励まされる。素晴らしくない?

これはいろんな人におすすめしたい。本当におすすめ。

もう一つの、励ましに近い癒やし

僕はたまに、どうしようもなく、自分の心が冷たくなるのを感じることがある。
努力なんて結局は報われず、成功や可能性なんて言葉は幻想に過ぎないのではないか、と。

仕事をしていても、思う。自分の仕事は無価値で、無意味で、ただ時間を浪費しているだけなのではないか。と。

今日もちょうど、そんなことを思っていた。このまま続けたところで、何の意味があるのだろうか。

癒しとは、多分、心を温めてくれるもののことだ。
そういう意味での、僕にとっての癒やしについても考えてみた。

行き詰まったとき、僕はサンテグジュペリの「夜間飛行」を思い出す。
彼は「星の王子さま」の人として有名だけれど、元飛行士でもあり、それを題材にした小説も書いていた。
夜間飛行の中に、次のような話が書かれていた。うろ覚えだけれど、記憶に残っている。

今よりももっと昔、橋を築くことが命懸けの仕事だったころ。
ある岸と、対岸を結ぶ橋を作る仕事の価値について。
すでに一つは橋がかかっていて、でももう一つ橋をかければ、人々は対岸に向かう際、数十分短い時間で行くことができるようになる。
それは果たして命を賭すだけの価値のある仕事かどうか、という話だったと思う。
それは、命の価値を問う話でもあった。人の命とは、それだけの価値しかないのではないか、無に等しい価値しかないのではないか、と。

僕は物事を覚えておくのが苦手で、心に残った言葉も文章も、すぐに忘れてしまう。
だから、この話がどのように結ばれていたのかは、忘れてしまった。確か、答えになるような言葉は書かれていなかった気がする。
でも、今はこの話に対して、こんな風に思う。

それは、価値のある仕事だった。

誰が何と言おうと、僕はそう思う。たとえ橋を架けるために命を落としたとしても。あるいは、橋を架けるために一生を捧げたとしても。
人によっては、たった数十分と思うかもしれない。橋がなければ迂回すればいいと思うかもしれない。
でも、その橋が架かることによって生まれる新しい出会いや、発展や、物語がきっとあるはずだ。

どんな些細な役割でも、きっとどこかに意味があるはずで。一見価値がないかのように見える仕事の積み重ねで、今の時代がある。
だから、これから先も、未来は今よりも良い場所になる。少しずつだから、気づかないかもしれないけれど。

こんな風に自分に言い聞かせることが、僕にとっての何よりの癒やしだ。
さあ、頑張ろう。