花びらを数える日々

チラシの裏、ときどき星の屑

自己観察日記 #6

脳が動くのを嫌がっている。そうとしか思えないときがある。今だ。

何かを書いては消し、消しては書いて、そんなことを繰り返して時間だけが過ぎる。

サン=テグジュペリの夜間飛行は、初稿からは随分多くのシーンや記述が削られた、と聞いた。完成されたデザインと同じように、それは不要なものをことごとく削り落とすことによって、洗練させることに成功させたのだと。
消された文章であっても、きっと彼の中には息づいていて、それが物語に本物の世界らしい空気感を与えているのだろう。

僕の思考や文字の羅列には、そんな高尚な意味なんてない。消された部分には特別な役割も、意味も、ない。
それでも、こんな風に考えたことや感じたことの積み重ねが、人格を作るのだとしたら、どうか。きっとそれは素人の実験のようなものだ。不確かで、仮説もなく、手当たり次第にできることをやってみているだけ。
それでも、決して無意味ではないのだと、今日の僕は思う。そうであってほしいと願う。