花びらを数える日々

チラシの裏、ときどき星の屑

箸でパスタを食べるということ

今日、コンビニでパスタを買った。 レジにいた男性はおそらく日本人じゃなくて、彫りの深い顔立ちをしていた。彼は僕のパスタを丁寧に袋に詰めてくれて、パスタと一緒に、何も言うことなく、箸を袋に入れた。 その瞬間、そうか、と僕は悟った。僕はこれから、箸でパスタを食べるのだ。

僕は、箸でパスタを食べることを悪いとは思わない。レジの彼が間違っていたとも思わない。でも、きっと、パスタを箸で食べるのは正しくはない。と、箸とつまようじが入った袋を開けながら思った。

世の中ってこういうものなのかもしれない。 正しくはなくても、間違ってもいない。そういう物事はたくさんある。

時折僕らは、正しくないことをして後悔することもあるけれど、よくよく考えてみれば、それは決して間違いばかりでもない。

箸でパスタを食べるということは、たぶん、そういう世の中にある曖昧さを許すことなんだと思う。

そんなことを考えながら食べた今晩のミートソースは、懐かしく、少し新鮮な味がした気がした。