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花びらを数える日々

チラシの裏、ときどき星の屑

良い映画を見たときと、恋をしたときの感覚は似ている

良い映画を見たときと、恋をしたときの感覚は似ている。 昨晩、布団の中で、ふとそんなことに気がついた。

昨夜、クリスマスに何か映画でも見ようかと思ってツタヤに行って、結局何も借りることなく帰った。映画を見るだけの気力がなかったからだと思う。 どうでも良い映画を見るなら、BGMのように聞き流せばいい。でも、良い映画であればあるほど、それを観るには体力がいるのだ。世界観やストーリー、キャラクターの心情など多くの情報を受け入れ、それに対する考察をし、自分の中に生じる反応についても気を配る必要がある。膨大な情報の処理を行わなければならず、僕にとってそれは片手間にできることではない。 映画でも舞台でも、脳が処理しきれなかった情報が、自身の感情として現れるように思う。心が動く仕組みを、僕はそんな風に捉えている。

恋をすると、新しい世界が広がる。今までに気づかなかった物事に目が向いたり、知らなかった美しさに気づいたりする。自分の感情の変化も含めて、様々な普段得ることのない情報が、大量に流れ込んでくる。脳にもしメモリがあるならば、その多くの領域が対象への関心に割かれるようなもので、結果的に他の物事、例えば仕事などが手につかなくなったりする。

映画も、舞台も、音楽も、恋も、どれも本気で向き合えば向き合うほど、迷惑なほどに疲れる。 それでも、あまりにも美しいから、恋せずにはいられない。そういうものなのだと思う。

今日から始まるクリスマスムードの中、残念ながら僕は予定が一つもない。 良い映画に出会うことが難しいように、良い恋に巡り合うことも難しいのだ、きっと。