花びらを数える日々

チラシの裏、ときどき星の屑

雨を好きな人は少なすぎる

今日は朝から夕方まで、雨が降っていた。

雨に濡れるのは好きじゃない。たぶん、みんなそうだろうと思う。でも、ふと、世の中にはもっと、雨を好きだと言う人が多くてもいいような気がした。

仕事のことや日々の悩みを頭の片隅に追いやって、少しの間、雨音に耳を澄ませてみる。傘に跳ねる雨粒や、流れる無数の水滴に注目してみる。そうやって、雨の持つ美しさを、あらためて感じる。濡れたアスファルトは光を反射させて、少し幻想的にすら思える街並みを映している。

幼い頃は、もっと雨の日にはしゃいでいた気がする。今だって、視点を変えれば雨を愛しく思える。

生きていると、辛くても苦しくても、泣き言なんて言えないし涙だって流せない。もうずっと泣くことなんてなくて、いつからか涙の出しかたもわからなくなってしまった。雨は、そんな僕らの代わりに泣いてくれてるのかもしれない。そんなことをぼんやりと考えていたら、僕は少し、雨の日を好きになった。